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なぜ我々は「引っ掛かる」のか(1)居酒屋クーポン・・・ [広告表現(クリエイティブ)]


(2005年10月27日自宅テレビ画面から筆者撮影)
リクルートの『ホットペッパー』の新しいバージョンのCM。音楽室に飾られていたようなバッハ、ハイドン、モーツアルト時代のカツラ風髪形の歌手が、手書きの楽譜を持って「居酒屋クーポン・・・」で始まる歌を歌おうとするが、どういう訳か非常に緊張していて(楽譜を持つ手が震えている)、か細い声でおずおずと下手くそに歌いだすと、伴奏のピアノの人に「あ、まだイントロですから」と言われてしまう。その含羞の顔がこれ。
面白い。思わず見てしまう。また見ても見続けるだろう。
で、何がそんなに面白いのだろうかを考えてみた。
①クラッシック音楽のプロっぽい声楽家の格好だから歌が上手いと思ったら下手。
②歌を人前で歌ってあがってしまって声が上ずったり歌い出しを間違えることは多くの人にあること。
③ヨーロッパ17,18世紀の音楽家の格好で「演歌のような節回しの」歌、「居酒屋クーポン」。
④今までの『ホットペッパー』CM路線、アフレコ(口あわせ)のお約束の面白さ。
⑤プロっぽい声楽家が下手なことを自分で素人のように恥ずかしそうにすること。
⑥歌い出しがわからないことで、実は譜面が読めないことがバレたばつの悪さ。
⑦自信に溢れているべきこうした配役の西洋人が自信なく自分を恥じて(日本人的に)笑う身近さ。
⑧こんな歌苦手なんだよなぁといった感情もこの人にはありえる。
他にもまだあるかもしれない。
そこには様々な「違和感」が設計されていて、いっぺんには見る人には言語化、自覚できないにせよ、様々な「引っ掛かり」が埋め込まれているのだ、という解釈が可能である。
複数の回路がある際、その内の1つ2つが自覚でき、残りは何だか分らないが「納得がいく」。そんな解釈の回路配線図が「上手い」と思われた。


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コメント 16

オサルノカゴヤ

電通関西ですよね。たしか。
CMプロデューサーみずからアテレコをやっているという・・・(笑)
映像と声のギャップのおもしろさを追求しているシリーズですね。
かなり好き。
by オサルノカゴヤ (2005-10-28 22:03) 

Peko

私もこのシリーズはかなり楽しませてもらってます。(笑)
ついついニマニマしながら見入ってしまいますよね~
あの格好で、コッテコテの演歌で、超庶民的な居酒屋クーポン・・・(笑)
しかも出だし間違えるし、なんとも切ない表情だし・・・(笑)
あとは、何だかわからないけど「納得させられてる」私です。^^
by Peko (2005-10-29 09:00) 

通行人

大げさで真面目なCM、で言いいたいことが「居酒屋」「割引クーポン」というみみっちい話、っていうことも違和感です。
by 通行人 (2005-10-29 17:10) 

yutakami

オサルノカゴヤさん、ご事情通で。関西電通チームが『ホットペッパー』500億円の売上を全国に作って、かつ全国制覇ですよね。

Pecoさん、「ニマニマ」ですか。その「ニマニマ」とはなんだろうか、というのが今回の記事でした。またお越しくださいませ。

通行人さん、なるほどです。それがこのCM企画の第一かもしれないですね。「みみっちい話」をいかに「みみっちく」しないか、という。

ほーリーさん、nice有り難うございました。
by yutakami (2005-10-29 22:15) 

MINX

ホットペッパーパーティで何十回とこのCM見て、今では歌えるまでになりました・・・・・・・・・。
by MINX (2005-10-30 15:15) 

tappei

映像と全く関係ない吹き替え、大好きです。
by tappei (2005-10-30 15:50) 

ゲストさん

ホントに海外(たしかハリウッドだったような)でこういった「セリフは後で日本語吹き替え」するコマーシャルを日本で作るから、と役者さんにも説明して、作るのだと何かの本でと読みました。脚本もそうかも知れませんが、役者もプロですよね。
by ゲストさん (2005-10-30 18:12) 

金さん

このシリーズ好きです。
すでに次はとシリーズの新作を楽しみにしている時点で戦略にはまってます。
by 金さん (2005-10-31 00:28) 

stickman

トラバ報告させて下さい。
しょーもないエントリーですみませんが…
by stickman (2005-10-31 16:46) 

ほーりー

こんにちは。お邪魔します。
「まだ、伴奏ですから」って言うんですよね。
「まだ、前奏ですから」が正しいですよね。
惜しい。
by ほーりー (2005-10-31 19:40) 

ゲストさんその2

日本は恥の文化、キリスト教圏は罪の文化、と『菊と刀』以来言われていたけれど、この人はあきらかに「恥」てる顔ですね。そう見えるのはなぜなのでしょう。単に「そう見えてるだけ」でしょうか。
by ゲストさんその2 (2005-10-31 20:06) 

yutakami

norikoさん、パーティもお出になったとは貴重なご体験ですね。どんなパーティだったのでしょうか。また機会があれば伺いたいと思いました。

tappeiさん、そうですね。アイディアの勝利ですね。

ゲストさん、情報通ですね。さぞや企画の説明がぎこちなかったことでしょう。ま、役者さんもアフレコを知ってればまあOKですが、アメリカ人はこの手のことに驚くほど無知な場合もあります。要は「世界中が英語で生活している」と信じて疑わない人が居ますから。

金さん、そうですね。私も次のバージョンが楽しみです。

stickmanさん、TB有り難うございました。アマデウスまで思い出しませんでした。サリエリがモーツアルト作の「居酒屋クーポン」を歌おうとして、その天才振りに嫉妬しながら上手く歌えない、としたら、それはそれで「居酒屋クーポン」を誉めることになっていますよね(笑)。新たな回路でしょう。お褒めを有り難うございます。

ほーりーさん、鋭いですね。私もどうだったか分からず「イントロ」と書いてしまいましたが・・・。単なる言い間違いなのでしょうか?

ゲストさんその2さん、教養に溢れたコメント有り難うございます。う~ん、どうでしょうか。「恥」がなくはないと思うのですが・・・。ルース・ベネディクトの本旨は、日本人にはキリスト教的(一神教的)なフィルターを通じた「罪」がなく「恥」しかない、といった文脈だったように記憶していますが。どうでしょうか。
by yutakami (2005-11-01 18:04) 

なみま

こんばんは!
私はこのCMを見ると、『アマデウス』という映画を思い出してしまいます。
見たのは随分昔なのでこんなシーンがあったかは定かでないんですが、秀才サリエリの絶望と天才モーツアルトの楽天的な振る舞いがこのCMにダブってしまって、余計に笑えます♪
見事に引っ掛けられてましたね、私も(^^)
by なみま (2005-11-01 23:30) 

ゲストさんその3

そりゃ「ケッタイ」「ヘン」やからですよ。
by ゲストさんその3 (2005-11-03 01:29) 

aloeDog

それから、ピアノ役の人が、
歌ってる人より若いってのもミソ。
おどおどしてるおっちゃんと、
自信満々の若者。ギャップがナイスですね。
by aloeDog (2005-11-03 18:58) 

yutakami

なみまさん、コメント有り難うございます。教養が溢れる連想ですね。サリエリ=歌い手、モーツアルト=居酒屋クーポンの作曲者、と思うとまたまた面白いのです。

ゲストさんその3さん、そうなんです。その「ケッタイ」「へん」をいかに解剖するか、というお話でした。

aloeDogさん、拙宅までようこそ。なるほどです。伴奏者がそこそこ年配だとまた違ってたでしょうね。大声学家の恥、テレの複雑な表情もピアノが自分よりも若いとなおさら、ということになりますね。なかなか仕組みが何重にもなっていますね。有り難うございます。
by yutakami (2005-11-04 23:02) 

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